VRが快適になる「VIVE デラックス オーディオストラップ」レビュー 弱点を着実に克服していくhtc VIVE

htc VIVEユーザーの悩みの種だったオーディオと装着感の悪さを一気に解決してくれる「Vive Deluxe Audio Strap」がリリースされた。ヘッドマウントディスプレイと一体型構造となり、ヘッドホンの取り回しだけでなく、装着時の快適さと利便性の向上が図られている。先行で入手している海外ユーザーの評判も良い様だ。

とはいえオプション機器としては高価な商品。本当に「htc VIVE」の弱点を本当に克服してくれるのだろうか。今回は「VIVE デラックス オーディオストラップ」をレビューしていく。

htc VIVEのオーディオと装着感を解決するオプションパーツ

他のVR機器と比較すると弱点だった装着感

htc VIVEのオーディヘッドホンとヘッドマウントディスプレイ(HDM)の装着感は他のVR機器と比較しても問題点として挙げられる事が多かった。HDM事態の重量で前方へズレやすく、ルームスケールを駆使するSteam VR対応ゲームの場合、その弱点も露呈しやすい具合だ。

バントを調整すれば改善できるが、側面のベルト構造では毎回調整するのは現実的ではない。

VR中にズレ易いオーディオイヤホンとケーブル地獄

付属のオーディオイヤホンは衣服や髪の摩擦でズレやすく、アクションが伴うゲームではVRの没入感を大きく阻害してしまう。またインナーのカナル型という事もあり、多人数でVRを楽しむ際には利用しずらい。

かといって、別途ヘッドホンを用いた場合はケーブルの処理に困る事が多く、ユーザーでDIYする等の工夫が求められる。旧型の3-in-1ケーブルの取り回し難さと相まってケーブル地獄になっていた。

筆者自身は上記の面倒さもあって、この数ヶ月はイヤホンなし、TVの簡易なスピーカーでプレイしていた有様だ。音関係では音質や没入感などといったレベルではない状況だったと言える。

2つの問題を同時に解決する「VIVE デラックス オーディオストラップ」

この2つの問題を同時に解決してくれるオプションパーツが「VIVE デラックス オーディオストラップ」となる。htc VIVEのヘッドバンドを丸ごと交換するような構造になっており、快適性と利便性を向上・改善される事が期待できる。

デラックス オーディオストラップの外観

統一されたデザイン梱包

発売日前に予約していた本品。予定どおり発売日に到着した。ダンボールから出すと、更に茶色いダンボール。「今回は簡易な梱包に変えたのかな?」と思って中を開けると更に化粧箱が収まっていた。 

化粧箱はHTC VIVEの他のオプションパーツと統一されたデザインになっている。htc VIVEはブラック&ブルーというブランド展開な模様。

地方では全く見ないので、売れなくても認知度をアップさせる意図でhtc VIVEを扱ってる店舗で箱だけ並べておけばディスプレイ映えそうだ。国内でHTCというメーカーのブランドと注目度も向上し、VRだけでなくスマホも売れやすくなるのではないだろうか。

化粧箱を開けるとストラップが固定されている。この固定器具と箱はVIVEの収納にも使えるかなと思ったが、サイズと重量バランス的にも難しそうだ。

付属品は上記のとおりシンプル。日本語に対応したマニュアルも付属されている。

外観

柔らかいゴム製のバンドだった標準パーツと違い、「デラックス」と名称が付けられてるだけあって、すこし堅牢な素材だ。とはいえ、弾性のある柔らかい素材で頭の形にあわせて、ある程度変形してくれる。

内部はクッション素材で両面ファスター素材によって剥がす事ができる。一応取り外し可能の様だ。汚れやすい素材に見えるので、来客用に交換クッションの単品販売は欲しい。VR機器のオプションのオプションで2度稼いで欲しい。

後方のトルクだけでなく、上部のファスターでもポジション調整が可能になっている。頭の形とバランスに合わせたベストな加減を探せる構図だ。

htc VIVEデラックス オーディオストラップの取り付け

取り付け方法は付属のマニュアルに日本語で記載されているのだが、正直、肝心なVIVEの標準バンドの取り外し方が記載されておらず少し分かりくい。

公式の取り付け方法動画が一番わかりやすい

そのためか公式でyoutubeの動画で取り付け方法が詳細にアナウンスされている。これを見ながら取り付けるのがベストだ。日本語字幕にも対応しており、これが一番分かりやすい。

取り付け方の流れとポイント

とはいえ、流れを把握しておくと分かりやすい点と、動画を見ながらでも迷った箇所もあったので一応記載しておく。あくまで公式動画の補足という前提だ。

関連:公式サイトサポート>デラックスオーディオストラップ項目

1:カバーを取り外し3in1ケーブルを取り外す

コンパートメントカバーを前方にズラシて外す。少し硬い。以下のように構造を意識していると破損しないと思う。下や上に無理なテンションをかけるのは避けた方が良いだろう。

2:3in1ケーブルとオーディオケーブルを取り外す

3イン1ケーブルとオーディオケーブルを取り外す。カバーの内部に1本づつ角度を調整すればそのまま外れる様だ。後方バンド部も同様に1本づつ通せば外れる。

3:標準ストラップを外す(要注意項目)

標準のストラップを外すのだが、この工程は適当に行うと破損する可能性があるので要注意だ。購入した代理店のアユートから、翌日以下の補足メールが到着している事から壊した人も多いだろう。

上記のように回してから外す。強引に取り外そうとすると中のプラスチック構造が割れてしまう。

4:オーディオストラップを取り付ける

オーディオストラップを取り付ける際は、なぜか回す必要がない。そのまま中心がズレないように押し付けると「パチッ」という音と共に装着される。

反対も同様だ。取り付ける工程と取り外す工程の差から破損させてしまう人が発生しているのだろうか。

5:コンパーメントカバーを標準ストラップ外して、再度取り付ける

標準ストラップに付いたままのコンパートメントカバーを取り外す。どうも初期型と最新型ではカバーの形状が違う模様。(改良型は単品で入手する方法はないのだろうか。)

取り付ける際はオーディオケーブルと3in1ケーブルを通しておく。カバーの穴に通す箇所は1箇所だ。上部部分の穴は通さなくて良い。各種ケーブルを装着する際は、しっかりと差した方がよいだろう。ケーブルの接触が緩くてHMDが認識しないパターンは多い。

6:ケーブルを側面のクリップに固定して、バンドを付ける

ケーブルを側面のクリップに固定して、バンドを付けたらようやく完成。バンドの付ける位置は装着しながらベストポジションを探そう。簡単に変更できるので、いくつかソフトを試しながらが良いだろう。

VIVEデラックス オーディオストラップの構造

ヘッドホン部分の調整

ヘッドホン部分は上下に調整できる様になっており、耳に位置にフィットできる。

更に回転も出来るので、どんな人でもベストポジションに収める事が可能となっている。装着しながら簡単に調整できるので、毎回位置調整しても全く苦にはならない。

側面のコネクタを通して3in1ケーブルを逃がせるようになっており、従来の構造にあった後頭部のケーブル接触が改善された。ルームスケールで動くタイプのゲームの場合地味にこれが効いてくる。

ヘッドマウントのポジション調整

装着の手間と快適性を大幅に向上させてくれるのが後方のダイヤル。これを回転させる事によって頭とHMDのフィット感を調整できる。

コネクタを回転させる事でバンドが緩んだり、縮んだりする構造だ。これによって頭の大きさに併せて調整するだけでなく、フィットする強さも微調整できる。移動幅はかなり大きい。

キツく閉めがちだが、ガッチリ固定するように閉めると顔が圧迫されてきつい。首を軽く振ってHMDがズレなければ問題ないだろう。調整は簡単なのでズレるようなら閉めれば良い。

 実際のVR体験中の感触

利用した感触はどうだろうか。3つのバリーションのStam VRゲームでデラックス オーディオストラップの効果を試してみた

大きな動きはないが高品質の「Batman Arkham VR」

まずはPSVRからの移植という事で「立位」と「着座」両方に対応し、大きな動きが発生しない「Batman Arkham VR」。現在リリースされているVRソフトでは最高クラスに制作費がかかってるだけあって、グラフィックだけでなく音もしっかり作られている。

これまで装着が面倒でモニタスピーカーで済ませたおかげで、ビジュアルだけでなく音による没入感も十分味わえるようになった。ズレにくくなったおかげでグラフィックもしゃがんだり、見上げたりと細部まで快適に観察できる。

最初から最後まで続けてプレイしたが、顔と耳の圧迫感はない。これなら2時間程度のVR映画も十分楽しめそうだ。

 定点で動きの激しいSoundBox

人気ランキングが熱心な日本VIVEユーザーの手によって、アニソンで支配されているSoundBox。部屋を移動するような動きはないが、定点で激しいアクションが求められるダイエットにもなりそうなVRゲームだ。

音とアクションという事もあって、オーディオストラップの真価が存分に発揮される。面倒なオーディオの装着から開放され、素早く動いてもズレないので、すこぶる快適になった。

ルームスケールを駆使した動きの多いVRゲーム「Sairento」

最後にルームスケールを駆使すれば有利に働く「Sairento」。空間を忍者のように自由自在に飛び回れ、VR酔い耐性の強い人ほど、ゲームでも強くなれるアクションVRゲームだ。

しゃがんだり、剣を振ったりと忙しいVRゲームだが、激しいアクションでもVRに没入できる様になっている。ケーブルがサイドになった事で絡まる事が懸念されたが、とくに影響はないようだ。これでケーブルから開放されたら最高だ。

音質・その他

音質に関しては、面倒でモニタでプレイしてた様な自分は語る資格はないように思えるが、概ね有線の安価なヘッドホンと変わらない程度と感じる。中途半端に廉価な2万円程度の無線ヘッドホンより音質は良い印象だ。

ソニー SONY ヘッドホン MDR-XD150(amazon)

一応ヘッドホン部分を取り外せる構造になっており、オーディオに拘りがあるユーザーは自己責任で更に追求できそうではあるが、調整構造を捨てる事になるため悩ましいだろう。

個人的にはVRは快適性と利便性を高めて、装着のハードルを下げる事の方が重要に感じているので、この辺はスパっと割り切っても良いかなと思う。

音がでない場合はPCのオーディオ設定がおかしい。上記のようにOSのサウンド設定を手動で変更するか、設定でSteamVR起動時に自動に切り替わる様にしよう。

http://indiegame-japan.com/2016/05/27/post-417/

初回ロットの内部パットの無償交換

さて、製品の品質は満足のデラックスオーディオストラップだが、初回出荷分に「汗や水分を含んだ状態で摩擦が生じると内部パットが剥離する」という問題が明るみになった。筆者の環境では特に問題なく利用していたが、来客時に不意に上記の状態になるのは不味い。

初回ロット購入者の希望者には交換対応可能という事でカスタマーセンターに連絡したところ、数日で交換品が送られてきた。内部クッションの素材がよりスポンジ感の強い変更になっている。これなら油で分解される事もなさそうだ。

問題発生から代替品送付まで、かなり短期間で行われており、この辺は長年デバイスを作り続けていたHTCのノウハウと日本でサービスしているメーカーの強みだろうか。

個人的には今回のHTCのサポート対応は満足しており、信頼できるメーカーの1つとなっている。初期ロット品の交換の流れは以下のとおり。


1:カスタマーセンターのフォームから初期ロットのオーディオストラップの交換希望の旨を連絡する。

2:メールに返信があるので指示に従って、メールフォームから必要事項を入力する。

3:後日、HTCから記入した住所に交換品が送られてくる。

デバイスの囲い込み戦略でhtcは先行有利を活かせる

弱点を克服してきたVIVE

当初は他のVR機器と比較するとケーブルや装着面で問題点を指摘されていたhtc VIVEだが、重量の軽量化、3in1ケーブルの改良、そして今回のオーディオストラップの投入と、VIVEの弱点を潰してきた。

実際、発売当初の状態より快適性は向上しており、着実に進化している。とくに今回のオーディオストラップによる快適性の向上幅は大きい。

既存のユーザーに機器を追加購入という形で、体験を向上させるのはハードビジネスとしても成立し、ユーザー側も対価と引き換えに快適性アップというメリットがあり、Win-Winだ。

互換性の維持がVRゲームビジネスの成立に必須という事を踏まえると、市場が形成されるまで、オーディオや液晶パネル、ベースステーション追加など、現在のVR体験の向上という形のアップデートが望ましいかもしれない。

次世代HMDと他社とのハードウェア競争

htc VIVEの発売から1年以上が経過し、そろそろ次のHMDデバイスの話題も上がりつつある時期だ。しかしVR機器のアップデートのたびに、全セットを交換購入するのはユーザーの懐的にも厳しい。htcは現在Steam VRで先行して機器を展開している優位性がある。

仮に液晶パネルの性能が向上したVIVE2がリリースされ、現在利用しているHMD部分だけを交換する事で他社より安価にアップデート対応できるのであれば、既存のVIVEユーザーの次期候補としてはHTCのVR機器が最有力候補になるだろう。

一式新規で購入する場合は価格面で他社との競争に晒されるが、先行有利をいかしてデバイスで既存のユーザーを囲い込めば、アップデート時にそのままユーザーを引き継げるかもしれない。

HTC VIVE デラックスオーディオストラップ(amazon)

初期VIVEユーザーをケーブルの呪縛から少しだけ解き放ってくれる改良型「htc VIVE 3-in-1ケーブル」
初期VIVEユーザーをケーブルの呪縛から少しだけ解き放ってくれる改良型「htc VIVE 3-in-1ケーブル」
発売当初htc VIVEに付属されている3in1ケーブルはきしめん状の形状だった。しかし最新出荷分のhtc VIVEは改良が施されて...

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