さて、アマチュア文化から進化したMMDコンテンツの閲覧VRソフトを紹介してきた。ここから紹介する2タイトルはMMDとは違い、商業ベースのVRタイトルである。両タイトルともSteamで展開されており、勿論一般コンテンツだ。
ねこパラ デモタイトル「NEKOPALIVE」
「NEKOPALIVE」はStemaでも展開されている「ねこパラ」のデモソフトである。登場人物2人のライブといった趣で、2種類のダンスが楽しめる。
大量のファンが会場配置され(棒だけだが)、盛り上がっている。残念ながらVIVEコントローラーでユーザーも一緒に振り回す事はできない。プログラム的には対応は簡単に思えるので、是非アップデートで対応していただき、一緒にヲタ芸で盛り上がれるツールに進化してもらいたい。
なお、プログラム的にルームスケールの足場を見てないようプレイヤーの位置と床は一致してない。
mocumocudanceに慣れてしまうと、物足りない印象だがソフトを起動するだけで2DルックのキャラクターがVRで確認できるのでお手軽だ。MocuMocuDanceが面倒という人は一度確認してみるのも良いかもしれない。基本ファンアイテムと捉えて置いたほうが良いだろう。
Steam上の評価もやたらと高く、海外のOTAKUファンも大喜びのようだ。この手応えを元に是非VRギャルゲーの先駆者としてフルVRタイトルの制作に挑むことを期待したい。既にモデルが存在し、VRノウハウを利用して早期リリースの一般向け美少女ゲームとしてPSVRとマルチタイトル展開すれば、VRギャルゲーの覇権を取れるかもしれない。
Muv-Luv VR
マブラブの世界観をベースにVR化したタイトル「Muv-Luv VR」。本ソフトは秋葉原のイベント用のVRソフトで、それを一般ユーザーでも体験出来るようにSteamに展開したものだ。マブラブ事態は美少女ゲームでありながらハードなSFとシナリオで人気があるタイトルだが、本VRは萌え要素は排除し、ハードな世界観の体験に焦点を絞っている。
制作はUnrealEngineを用いている。VRを起動すると廃墟の小部屋に配置される。操作方法はいつものVIVE系と同じだ。ワープでエリアを移動していく。
銃をVIVEコントローラーで操作できるが、フェイクだ。当たり判定はあるものの変化はない。圧倒的な絶望感の演出の一貫だろう。 異形の巨大なモンスターの数は徐々に増していき、そして・・・
VR終了後はVRシアターでPVが見れる。このようなVRの活用方法を用いればイベント上映などはファン同士で盛り上がれるかもしれない。映画館の様な雰囲気も出ており、解像度感も悪く無い。
尚、本VRコンテンツはSteamでは結構賛否のある評価になっている。イベント用のコンテンツという事で、ゲームとして評価するユーザーとのギャップも大きいようだ。またマブラブの世界観を知らないと、お約束が把握できずにチープなVRコンテンツにしか見えてしまうという弊害もあるのだろう。
筆者もVRというコンテンツでなければ、触れる機会がなかったタイトルである。その点ではプロモーションとして、従来リーチできなかったユーザーにタイトルを覚えてもらう事ができてるので成功してるとも言える。他の4本も機会があれば、まとめて掲載したいと思う。
Steam VR立ち上げから1年 選択肢は広まってきた
htc Viveのローンチ直後である現在は、そもそも日本向けタイトル不足というより VRタイトル事態が不足している状況だった。PSVRのリリース以降は徐々に状況も変化していくと思われてたが、意外と移植が少ない。現状は数少ないタイトルの中からより好みせず遊んでいくしかない。
実際に制作してみないと獲れないVRノウハウもあるはずだ。VRを用いたゲームは各社模索中なので、 大型化したコンソール市場にはないチャンスが中小メーカーにもあると思える。
今回先陣を切って一般ユーザーにコンテンツを開放してくれた2社は、これをステップにVR時代に飛躍する事を期待したい。
ゲームではないがMocuMocuDanceはMMDのコンテンツに乗っかる事ができるので無限に楽しめる。高精度なルームスケールVRを実現できるhtc VIVEは、カメラの範囲に制約されるOculus Riftと比較するとアドバンテージも大きい。
最先端のオタクを自負するユーザーであれば、このためにhtc VIVEを購入しても損はないと思えるバーチャル体験だ。PSVRでは絶対できない遊び方である点もポイントが高いだろう。