初期VIVEユーザーをケーブルの呪縛から少しだけ解き放ってくれる改良型「htc VIVE 3-in-1ケーブル」

発売当初htc VIVEに付属されている3in1ケーブルはきしめん状の形状だった。しかし最新出荷分のhtc VIVEは改良が施されており、USB,hdmi,オーディオが1本に統合された形状に更新されている。

初期ユーザーも改良版ケーブルの単品購入が可能になっているが、どの程度改善を実感できるのだろうか。ルームスケールVRゲームのプレイ感覚と併せて試してみる。

初期 htcVIVEに挿入されていた「きしめん」タイプの3in1ケーブル

htc VIVEの出荷当初に付属していた3-in1-ケーブルはUSB,HDMI,オーディオがぞれぞれ独立した「きしめん」タイプだった。頑丈ではあるが、かなりの重量感と平面上ゆえの取り回しにくさも相まって、各種レビューでも不満点として良く上がっていた項目だ。

PSVRの様な着座前提のVRであれば気にならなかったと思われるが、自由に動き回れるルームスケール対応のSteam VRゲームの場合、この欠点が際立っていたという所だ。また平面型ゆえ、一度ねじれると治りにくいという点も厄介だった。

htcはこの問題に素早く対応し、新規出荷分から問題を解決した改良型の3in1ケーブルに切り替えており、海外では殆ど同時に単品販売もされていた。

htc VIVEのアクセサリーの販売が開始

昨年末からhtc VIVEアクセサリーの国内販売が始まり、3in1ケーブルもラインナップに入っていた。しかし、何故か商品写真から新型なのか旧型なのか判別できず、商品説明でも記載はなかった。ケーブルとはいえ価格が4,900円という事もあって、確信がなければ手が出しにくい。

しかし、先月からAmazonでhtc VIVEのアクセサリーの取扱が正式に開始され、(従来からマーケットプレイスの出品はあったが公式に正規取扱が開始)その中の商品説明に以下の文言が掲載されている。

中間部分は1本に集約された改良型タイプとなっております。

この他のアクセサリーもAmazonの説明文の方が詳しい。発売から1年が経過し、そろそろ保証も切れた個体が増えてくる。個別にパーツが買える環境があるのはユーザーとしても安心だ。

   

改良版htc VIVE 3in1ケーブル

改良型の3in1ケーブルは、想像より凝った化粧箱で到着した。500cmという長さもあり。結構なボリュームだ。この長さのUSB,HDMIケーブルは単品でも相応の価格であり、更にルームスケールに耐えれる強度を維持するには4900円という価格設定は仕方ないだろう。

新旧比較するとにケーブルの太さ以外にも若干の相違が見られる。

並べるとケーブル部の変化が大きい事が分かる。旧型は1本1本は細いが横に連なっているため面積は広い。

床において見ても、違いは一目瞭然だ。「ねじれ」易さも軽減されている。

ケーブルの交換の仕方

ケーブルの外し方事態はサポートサイトに掲載されているが、地味にわかりにくいので参考程度に記載しておく。

公式サイト「ヘッドセットからの3-in-1ケーブルの取り外し」

コネクタスロットはスライドさせるように取り外す。かなり硬い。

外したコネクタスロットをケーブルに沿って上げることで、3in1ケーブルの取り外しが可能になる。

ケーブルのコネクタスロットからの取り外しは、逆のPC側から抜かないと外せない。取り替えた新ケーブルは逆順で収まる。

・上記訂正 どうもテンションをかければ、そのまま外れる模様。

オーディオケーブルを戻し忘れると厄介だ。コネクタスロットを閉める前に確認しておこう。HDMIケーブルもしっかり奥まで差さないと認識不良に繋がる。

コネクタスロットを戻す際は、図の様に「コ」の字型になっている事を把握していると迷わない。無理やり収めようとすると破損しかねないので確認しておいた方が良いだろう。

SteamVRでの実際のゲーム感覚の変化

では実際に改良型のケーブルを試してみる。「着座」から「立位」、空間をフル活用するルームスケールタイプと一口にSteamVR対応ゲームといっても様々だ。

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ルームスケールで移動や回転がVR多いゲーム

「Sairento VR」や「Vanishing Realms」はVR空間を縦横無尽に動き回るルームスケールVRの決定版だ。両ゲームともプレイ中にしゃがんだり振り向いたりと中々忙しい。

改良型ケーブルで軽量化・1本化された事でルームスケールの移動範囲限界まで動き回ってプレイしやすくなった。ケーブルの摩擦が少なくなったせいか軽く感じる。従来は存在感のあるケーブルのため無意識に移動範囲を抑えていたのが、その呪縛から少しだけ開放された気がする。

その場で立って遊ぶタイプの「立位」系VRゲーム

「Soundboxing」や「The Lab」のLONGBOWは運動量は多いが、基本的にその場で移動せず立った状態でプレイするVRゲームになっている。

こちらは少し軽くなった様な気がするが、ブラインドテストされると分かるか怪しい。元々、この手のゲームであればケーブルが気になる事も少なかったので、大きな効果は感じられないといった具合だろうか。素早く屈んだ時にケーブルの存在感は薄らいでいる様に感じる。

ゲームコントローラー前提の着座タイプVRゲーム

「GunJack」や「Project CARS」は従来のゲームに視界のみがVR化された着座タイプのVRゲームだ。この辺りまで来ると全く効果はない。椅子にケーブルが接触してた際の摩擦が少なくなったため、ケーブルの存在が小さくなった程度だろうか。

こっそり入れ替えられても気づかない自信はある。

移動量の多いルームスケールを駆使したゲームでの効果は大きい

旧タイプのケーブルに比べて、摩擦量が減り、ねじれにくくなったため、ケーブルの存在感は随分軽減された。htc VIVEのケーブルは重量というより「きしめん」型の平面形状がボトルネックになっていた様だ。

ねじれても元の状態に戻りやすくなり、従来型では毎回の儀式であった「ねじれ」を直す作業回数も減りそうだ。

有線である事に変わりがないため、ワイヤレス化のような劇的な効果はないが、新型のhtc VIVE 3-in-1ケーブルはルームスケールSteamVRを遊ぶヘビーな初期型htc VIVEユーザーなら効果を十分体感できそうだ。

近い将来ワイヤレスVRが標準になった際は、このような有線ケーブルのレビューや記事が過去の苦労として笑えるものになるだろう。その様な日が早く到来する事に期待したい。

   

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