7月7日のhtc VIVEの発表会で従来の税別111,999円から99,800円に値下げする事が発表された。また従来はインターネットによるサイト販売のみだったが国内の店頭での販売が開始されるとの事。各社ゲーミングマシンとのセット販売による割引も行われ、ポイントを含めると実質価格は更に値下がりそうだ。
これまでのhtc VIVE販売の経緯
4月の発売時はhtc VIVEを手に入れるためには英語の海外サイトから個人で輸入購入するしかなかった。このため送料や税金を含めると12万円超えという価格が必要になっていた。また到着までにも1ヶ月程度かかりOculus Riftとの差こそあれど、VRを個人で購入するハードルは非常に高い状況が続いていた。
これが6月1日より日本語サイトによる販売と国内発送が開始。購入のハードルは大幅に下がっていた。そして本日値下げと共に国内店頭販売が発表され、ドスパラやパソコン工房、TSUKUMOの店舗に訪れたユーザーが、その場で購入して持ち帰る事ができる様になっている。
Oculus Riftの躓きと反して好調なVIVE
Oculus Riftが製造の遅れや囲い込み戦略アピールの失敗等で躓いてる間にhtc VIVEは順調に台数を伸ばし、7月の時点で10万台を軽く突破してる。スマートフォンで大規模な製造ノウハウがあるhtc社の強みが出た状況だ。数ヶ月前はVRといえば代名詞としてOculus Riftが扱われる事が多かったが、この2,3ヶ月で状況は一変しつつある。
新グラフィックボードとPSVRによる高まるVRのマスメディア露出
nVidaのPascalアーキテクチャのGTX1080、GTX1070とAMDのPoralisアーキテクチャRX480の発表によって、VRで必要なPCのハードルがグッと低くなってきた。両者ともVRでの需要を見越して、VR性能をアピールしておりハイスペックPCのトレンドとして「VR対応」はアピールポイントになっている。
またPSVRのマスコミ露出も増え、NHKなどでもVR特集が組まれる事にいたり、世間一般でもVRに対しての認知度が高まりつつある。お台場のVRイベントは予約で休日は連日満席だ。
PSVRとhtc VIVE
10月に発売されるPSVRはhtc VIVEも無関係ではいられない。しかしPSVRは暫く慢性的な品不足が続くだろう。その点、htc VIVEは直ぐ手に入る状況になる。今回の値下げはhtc VIVEの普及ペースが増す事になりそうだ。
PSVRが発売されれば、圧倒的な出荷台数を背景に各社VRタイトルに対して投資できる開発コストも向上する。近年のゲームソフトは移植コストの大幅な低下によって、マルチプラットフォーム展開で開発費を回収する事が常套手段である。htc VIVEの普及台数が拡大していれば、PSVRで販売されたVRタイトルがSteamVRに移植される可能性は高くなる。そういう意味では両者は競合関係というより共存関係にあるといっても良い。VR市場が未だ立ち上がってない現在、市場規模の拡大は業界全体の発展に繋がる。
またhtc VIVEの特徴であるルームスケールバーチャルリアリティ機能はPSVRやOculus Riftでは体験できないVR体験だ。加えて、スペックを大幅に向上させる事が容易なPCベースで展開できる優位性もある。
htc VIVEがローンチして3ヶ月。大手メーカーのソフトラインナップは殆どリリースされてない。出荷台数拡大をうけて、今後の各社動向に期待したい。
Vive Kit 99HAHZ049-00 国内正規品
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