htc VIVEのセッティング完了後に最初に体験するVRソフト「The Lab」には隠し要素がある。また最近のアップデートでゲーム内容の追加が行われており、日本語対応も進んでいる。特にロングボウはゲームとしてガッツリ遊べる進化を遂げてるので、発売直後に触って以来起動してないVIVEユーザーは久しぶりにプレイする事をオススメする
裏ワザの隠し部屋1
ポストカードには隠し部屋が用意されている。シーン選択のプラグを左側面のバルブ(Valve)に差し込んでみよう。スフィアの中の映像が変化する事が分かる。
隠し部屋は「Valve DEMO ROOM」と呼ばれ、その名の通り、ValveによるルームスケールVRの開発初期の実験とVIVEのプロトタイプの様子などが確認できる。
当時の実験で利用した部屋まるごとがフォトグラメトリで再現されたロケーションを歩きまわる事が可能だ。各部屋には説明ボードが置いてあり、日本語対応されている。VIVEのルームスケールVRの試行錯誤の過程が垣間見れて興味深い。
壁のレバーを操作することで、ピンポンをして遊ぶ事ができる。スイッチをVIVEコントローラーで割って降ろして見よう。壁面のバーコードが変化し、卓球ボールが飛び出てくる。
机の上にある卓球ラケットを用いる事で打ち返す事が可能だ。尚、球の投射位置はヘッドセットを基準に決定されているようである。投射される瞬間に少し頭の位置をコントロールすると打ち返しやすし。よく見ると単なるピンポンボールではない事もわかる。
床に落ちているVIVEのプロトタイプを被ってみよう。ヘッドセットを被りながらバーチャルの中でVRヘッドセットを被るという奇妙な状況だ。
裏ワザの隠し部屋2
ヘッドセットを被ると画面が暗転し、2つ目の部屋に移動する。Portal2のCOOPでプレイキャラとして登場するAtlasが鎮座している会議室だ。
こちらでもレバーがあり操作する事で風船で遊ぶ事ができる。VIVEのコントローラーのボタンを押すとレーザーの針が出てくるので、これらの風船を割ったり、コントローラー自体で物理シミュレーションの挙動を確認したりできる。
尚、放置してると風船の数はかなり増加する。部屋の隅からPortalロボのatlasを捉えて、大量の風船を画面に捉えながら、風船を破壊せずにコントローラーで動かしてみよう。PC環境によってはフレームスキップが起きる事が確認できるはずだ。The Lab内でも一番重い状態を発生させる事ができるのでパフォーマンスチェックに用いるには適切なシーンだろう。グラフィクボードをGTX1080等に新調した際にチェックに役立ちそうだ。Fixed Foveated Renderingの挙動やリアルタイム描画解像度の変異、MSAAの倍数変動など確認すると良いだろう。
2つ目の部屋はVIVEコントローラーによる移動ワープは制限があるが、ルームスケール内であれば扉から覗く事が可能で、広い部屋でプレイしてる人は扉の外を歩けそうだ。
日本後対応強化
直近のアップグレードから日本語対応が大幅に強化されている。字幕テキストだけでなく、シーン内のテクスチャレベルで改変されており、英語を解読しなくてもスムーズにナビゲートしてもらえる。
左画像:アップデート前 右画像:アップデート後
各種ゲームの説明や解説も詳細に記載されているので、英語が苦手な人は再度確認し、深く理解した上でゲームをプレイすると新しい発見があるかもしれない。
左画像:アップデート前 右画像:アップデート後
尚、英語ではデザインレベルでコントロールされたイメージだったが、日本語化にともない少々フォントが安っぽくなっている部分もある。VIVE人口がまだ少ない日本人のための対応なのでトレードオフとして仕方ないだろう。
左画像:アップデート前 右画像:アップデート後
翻訳には違和感は多いがPortal本編でもキャラクター性を強調するため、ロボットからの人間への対応は無機質な演出が取られていた。これは演出の一貫として納得しておくしかない
ロングボウのゲーム追加・修正
ロングボウは細かい箇所から大きな部分まで大幅なアップデートがされている。日本語対応は勿論、スタート合図の板人間が分かりやすく赤の旗を振るようになっている。(以前はボスのような板人間が一緒に囃し立てていた。)ちょっと分かり難いという判断があったのだろうか。
ウェーブ数は従来の8WAVEから大幅に増加し、かなり遊びごたえのあるゲーム内容に進化している。特に20WAVEくらいからは敵の攻撃や登場数も激しくなり、適当に打ってるだけでは撃破が困難になる。フィールドのギミックや倒す敵の順番、迎える場所などの攻略要素が求められ楽しめる
ゲートヘルスはWAVEを跨いでも、減少した状態が持ち越される。しかし爆弾樽や油壺を利用して大量撃破する事で一気に回復が可能だ。要所要所でギミックを駆使して、ゲートヘルスを回復しつつWAVEを伸ばしていこう。
ロングボウはシンプルなグラフィックながらも、弓の挙動やフィールド設計、敵の登場パターンやモーションの豊富さなど非常に高いクオリティのゲームに仕上がっている。慣れてくると遠方の敵を容易に倒せるようになったり、後方の炎の松明を見ずに、炎の矢に変更できるようになる。VRの中でのゲームの上達を感じられる良作だ。
この感覚は従来のゲームでは余りなかったもので、Wiiスポーツより精度が高い。一通りVRを体験した後はガッツリ遊んでみる事をオススメする。尚、夏場はヘッドセットと激しい運動が相まって非常に暑い。エアコンを強めにつけておく事を推奨する
XORTEX26XXの修正・追加
VRシューティングゲームも修正・追加がなされている。全体が日本語対応されておりピクセル演出と相まって、こちらはフォントの違和感はない。
WAVE攻略型のクラッシクモードに加えて、無限にスコアを競う「無限」モードが追加されている。クラッシックで慣れて、攻略しつくしたら無限モードで遊ぶのが良いだろう。攻略のコツとしてはルームスケールだからといって、最初から動き回ると死角から弾幕を受けて撃破されやすい。最初は定点でプレイしつづけ、敵弾幕数や敵が混み合ってきたら、ルームスケールを駆使して大きく移動し、空いたエリアから仕切りなおすと立て直しやすい。
追加修正ではないが、XORTEXの筐体はスイッチを押すとゲームが起動し、スタッフロールをテーマに縦シューティングが遊べる
VRお試しゲーではなく、やり込めば長く遊べるThe Lab
「The Lab」はhtc VIVEを購入したユーザーに最初にVRを体験してもらうソフトの位置づけだ。無料でハイクオリティなので、これをプレイしないVIVEユーザーはいないだろう。かつゲーム内容も作りこまれており、VRゲームとしてやり込める内容になっている。ボリュームこそないが、攻略という視点でプレイすると新しいVRゲームの未来像が見えてくる。
本作をきっかけに「Portal」の世界観が気になったユーザーは本編Portal2をプレイするのも良いだろう。VRゲームの「Portal Stories:VR」が無料で遊べ、The Labでもニヤリとできる要素を発見できる。洋ゲーに馴染みがないユーザーでも引き込まれるストーリーとキャラクター演出、アートワーク、ゲームデザインでオススメだ。
またValveは近々VR専用タイトルを発表するらしい。Portalの世界観に関連するかは定かではないが予習になるかもしれない。