日本を代表する萌え系2Dアニメ・ゲーム系コンテンツ。コンソールやモバイルではリアル系よりメジャーラインになっており、3Dモデルを利用しながらも2Dの様に見せる手法の進化も目覚ましい。VRで我々は2次元の世界に旅立つ事は出来るのだろうか。htc VIVEで動作する所謂2Dオタク系コンテンツを3本掘り下げてみたい。
Steam VR対応の2次元系オタクコンテンツもジワリと増えてきた
htc VIVEで動作する2D系の所謂日本型オタク向けのコンテンツは非常に少なかったが、小さいデベロッパーをメインに徐々に数が増加している。本格的な海外のVRタイトルは殆ど日本をターゲットにとらえておらず、メジャータイトルですら日本語ローカライズされてない状況なので日本人による、これらのVRタイトルは貴重だ。
2017年8月現在、以下の8本+αがリリースされている。
・初音ミクのMMD文化をベースとした非商業系のVRビュワー「MocuMocuDance」
・PC美少女ゲーム系の商業作品 ねこパラ 関連デモタイトル「NEKOPALIVE」
・PC美少女ゲーム系の商業作品マブらぶ 関連イベント用VR体験ソフト「Muv-Luv VR」
・アニメ作品のVR体験タイトル「第502統合戦闘航空団 ブレイブウィッチーズ VR」
・UEの技術公演でおなじみのヒストリア制作の「Airtone」
・スマホソシャゲのVR移植タイトル 「乖離性ミリオンアーサー VR」
・狼と香辛料で有名な同人サークルによるVRノベル「Project LUX」
・ポリゴンピクチャによる「Hop Step Sing! Kisekiteki Shining!」他1曲
・日本の和ゲー文化が生み出した紳士FPS「ぎゃる☆がんVR」
いずれも日本発のVIVE対応VRタイトルとしては非常に貴重なコンテンツだ。6本プラスαの「α」にあたるタイトルはアダルトVRタイトルだ。その方面に興味がある人は検索してみると良いだろう。
MMD文化を下地にハイクオリティアセットが利用可能な「MocuMocuDance」
「MocuMocuDance」は初音ミクを由来としたMMDフォーマットのモデル・モーション・ステージ・スクリプト・音声をVR上で統合して、閲覧する事ができるビュワー的VRソフトだ。
長らく公開が停止されていたが、2017年5月に公開が再開された。フロントカメラを用いた疑似AR機能も追加され、今後の開発も期待されている。
MMDはアマチュアステージだけではなく、企業も公式にモデルを配布するレベルまで育った日本を代表する萌えフィーマットまで成長した。「MocuMocuDance」は、その上質かつ大量のコンテンツをhtc VIVEのVRで活用できる神アプリといって良い。
配布されてるモデルやモーション等の組み合わせパターンは無限大で、ネット上で配布されているアセットを組み合わせる事で自分の興味や趣味にあったコンテンツを生成できる。
非常に膨大なアセットの中でユーザーから指示を受けたモデルクオリティは2次元のルックを持った3Dとしては最高峰と言って良いだろう。商業タイトルの中でも本データ郡に匹敵する3Dモデルは少ない。
「モニタの中に入りたい」を実現してしまったVRの初音ミクの存在感
正直、本ソフトを触るまではVRの中で見る2Dルックの3Dキャラクターに関しては懐疑的だった。PSVRの「サマーレッスン」の制作インタビューでも触れられてる様に違和感の方が大きくなるのでは・・・といった先入観だ。
しかし、目の前にバーチャル・リアリティ空間に現れたTda式Append初音ミクを見て、そのような杞憂は一蹴された。モニタ越しでは感じられない圧倒的存在感で、正直、目線を合わせると少し照れるレベルのリアリティだ。
「モニタの中に入りたい」を完全に実現しているといって良い。違和感は殆ど無い。逆に現実世界とは異なった描画になるため、VRの違和感もスポイルされてる様にも見える。
数年後、VRでラブプラスのようなタイトルが発売されたら、日本の少子化は確実に加速化しそうである。フィギア文化をベースに進化し、大量のMMDコンテンツで育まれた2Dルックの3Dモデルの完成度は、現実と2Dの壁を乗り越えつつある様だ。
とはいえ本ソフトはMMD用のデータを読み込んで表示するビュワーであり、一般的なゲームタイトルのような気軽さはない。次頁では基本的な操作・オペレーション方法、モデルの入手方法を記載していく。
二次元の世界にダイブするための小さなハードルだ。この時点でhtc VIVEを所有しているユーザーなら物ともしないだろう。